不定愁訴
不定愁訴について
いつも体がだるい、寝ても疲れがとれない・・・等ずっと調子が悪いという方が最近増えています。病院で調べても特に異常なしという場合、その症状はひとまとめに不定愁訴と呼びます。
とてもあいまいで病名がつきにくく、個人の症状もさまざま・・不定愁訴とは何なのでしょう?
その原因はからだの歪みにあるかも・・と考えたことがあるでしょうか。
ひとつひとつの細かい症状を追わず、なぜそのような症状が慢性的に現われているかという原因をたどっていくと、その根本解決へのヒントが見えてきます。
人は頭の重さ(5~6㎏)、その全てを首によって支えています。日常生活のさまざまな場面で前かがみの姿勢を長くとっている場合などは首への負担は通常の何倍もかかり、、頭と体を繋ぐ全ての神経が通っている首へ負荷がかかっている状態が長く続くと、体には様々な変調が現れてくるのです。
不定愁訴の症状とは
自律神経失調症状
不定愁訴とは、病院で病気と診断できないような、原因の特定できない数々の訴えをもつ状態のことです。その多くは自律神経失調症と診断されることがあります。
精神安定剤や鎮痛剤、漢方などの薬物が投与されるケースが多々あります。
自律神経とは、自分の意思でコントロールできない神経のことで、交感神経と副交感神経があります。現代人の生活習慣はストレスが多く、特に慢性的な交感神経の緊張状態が続く生活を送っている人がほとんどです。
この交感神経が優位な状態が続くと、体には色々な不調が現れてきます。体温の低下・身体の冷えなどに関係している場合もあり、例えば、かぜをひきやすい、寝汗をかく、疲れやすい・・など症状は人によって様々に現れます。
精神神経症状
また不定愁訴は、身体的なものだけでなく精神神経症状も同時に現れる場合が多くみられます。
例えば、うつ状態や不眠、食欲不振、意欲低下、不安感などが身体的な症状と同時に出てくる場合があります。 これらは職場や学校、家庭内でのストレスや対人関係の悩みが原因となっている場合も多いようです。現代のストレス社会では、精神神経症状も起こりやすく、身体的な不定愁訴を招きやすい状態になってしまいます。
感覚器の異常
耳鳴り、めまい、目がまぶしいなどの感覚器の異常が現れる場合もあります。耳なりなどは、自律神経失調症や不定愁訴の症状としてよく見られる症状の一つです。 自律神経のバランスが崩れた自律神経失調症では、頭痛、頭重、めまい感、全身倦怠感、動悸、息切れ、胃の快感、肩凝り、便秘、下痢、頻尿などあらゆる臓器の症状などが出てきます。このような人は、耳鳴りが現れることがあります。 また、理由は解明されていませんが、うつの症状では耳鳴りが増えることも知られています。
血液関連の症状
貧血や低血圧などの症状が見られる場合も多くあります。
まず初期症状としてめまいや頭痛を訴え、検査をしても原因かわからないというケースです。
このケースでは、血液中にて鉄を含めたミネラル分が不足している場合が多く見られます。 体内のミネラルが不足してくると、あらゆる体の合成が充分に行われず、新陳代謝がスムーズに行われなくなってきます。症状として、疲れやすい、肩こり、朝起きがきついといった軽い症状から、めまい、頭痛、などの不調が出てきたりします。
また、低血圧の人が訴えることが多い、起きれない、体がだるい・・などの不定愁訴を解消するには意識して運動かすことが大切です。低血圧の人は急な激しい動きをして無理をしないように、軽めのストレッチから始めることをお勧めいたします。
消化器系の症状
不定愁訴は消化器系の症状でも現れる場合が多くあります。例えば、上腹部不定愁訴症候群とも呼ばれているもので消化器科を受診される方の半分以上の方は、この病気だとも言われています。 吐き気、胃の痛み、胃のもたれ、食欲不振、腹部膨満感などの上腹部消化器症状を訴えるにもかかわらず、一般的な消化器検査で異常が認められない状態をいいます。
泌尿生殖器系症状
泌尿器や生殖器にも現れる場合があります。よく症状として見られるのは、尿路の不定愁訴です。おしっこが近くなる頻尿、尿漏れ、排尿痛、すっきりしない残尿感、下腹部痛・・など多彩な症状です。ですが、いずれも器質的な障害を認めないものです。 男性の泌尿器の不定愁訴では、慢性前立腺炎が原因となっている場合もあります。例えば、骨盤部、性器の疼痛、下腹部の痛み、あるいは排尿症状など多彩な不定愁訴を特徴として訴える場合があるようです。
全身症状
全身にかつ多愁訴で様々な症状を抱えることがあります。全身症状として、疲れやすい、異常発汗、手足のだるさ、ふるえ、むくみなど様々です。 しかし、不定愁訴症候群と判断して大きな病気を見落としてしまう事もあり、注意が必要です。不定愁訴患者の多くに癌や、糖尿病・・・などの様々な病気が確認されています。
更年期障害の原因
40代以上の方の場合、更年期障害が隠れていた場合などもあります。ほてり、冷え性、頭痛、のぼせ、不眠、イライラする、動悸などの症状が現れ、なんとなく調子がおかしいと思うとき。もし何週間も続いているようなら、それは更年期障害かもしれません。
原因は一つではなく複数
不定愁訴の原因は特に病院検査で器質的な原因が見つからないことがほとんどです。原因が様々で、特定できない、わからないということです。
例えば上腹部不定愁訴の多くは、ストレスも大きく関係しているし、実は噛み合わせや顎関節に原因があったという場合もあるようです。
不定愁訴の予防法
日常生活の見直し
不定愁訴はストレスや生活の乱れが原因となっている場合が多いことからも、日常生活の見直しが必要です。まずは食生活。
疲れが取れない場合はビタミンB1の摂取が有効だと言われて います。豚肉やほうれん草などからも摂取できるので、食事からも積極的に摂取することをお勧めします。 睡眠不足に悩んでいる方は、就床前はゆったり過ごし、就寝前にパソコンやスマホの操作は控えましょう。また仕事の日だけでなく休日も含めて、規則正しい起床時刻を守り、起床したら部屋に日光を取り入れてください。
適度な運動を行う
慢性的な不定愁訴には、適度な運動も有効です。
多くの不定愁訴を訴える方は
『具合が悪いから運動しない』
↓
『体内に酸素が取り込めない』
↓
『筋肉などの組織が凝り固まり、体内に老廃物がのこる』
↓
『痛みが増幅する』
↓
『動かない』
この負のスパイラルに陥っている場合があります。 急性期の症状がひどい時はお勧めできませんが、慢性的に続いている状態の場合、無理のない有酸素運動を行ってみてください。
原因不明の症状でむやみに薬を増やさない。
ストレスで体のバランスを崩している人が多くいます。また特に病気がないのに、何か病気があるかのように思い込み、症状一つ一つにつき、沢山の病院で多くの薬を処方してもらっている方がいます。
薬はもともと化学反応によってつくられた化学物質で、自然界には存在しない物を人工的に作ったものです。病気などのきつい症状が一時的に和らぐことはありますが、人体にとってはあまりいい影響を与えません。交感神経が優位になり免疫力の低下を招きます。
薬には副作用がつきものです。 原因がわからない症状に対しても、病院では薬の処方が主です。
答えが判らないものに対して何種類もの薬をからだに入れていくことは、いいはずがありません。冷えを増長させるばかりか、自己治癒力や免疫力を下げてしまいます。
高齢者医療において、多剤併用が大きな問題となっています。5種類以上の内服薬がある場合、副作用発現のリスクが急上昇する、というデータもあるようです。
個々の症状に対しての対症療法をさける
一つ一つの症状にとらわれた対症療法に頼らず、自己免疫力や治癒力を上げるための努力をしましょう。
動物には本来、自分の力で病気やけがを治す力を持っています。その力を最大限に引き出し、様々な病気やけがを治しているのです。
生命のコントロールセンターである“脳幹”が活性化していないと免疫力や治癒力は低下します。脳幹が常にフルに活動できる環境を維持することは、健康への一番の近道です。